走る作曲家のAIカフェ

「北海道大学大学院情報科学院修士課程入学試験」(令和6年8月実施)の情報理工学コース「確率・統計」対策ページです。

分野別対策

確率・統計

参考にした本は以下のとおり。

改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計学基礎

チェビシェフの不等式

大数の法則

一致性

不偏性

条件付き確率とベイズの定理

参考にしたサイトは以下のとおり。

条件付き確率とベイズの定理 〜検査結果の陽性が正しい確率を求める〜 - とある数物研究者の覚書.html

累積分布関数、確率密度関数、期待値、分散

歪度、尖度

問題

累積分布関数が以下に示す \( F(x) \) で与えられる連続一様分布の歪度と尖度を求めよ。ただし、正規分布の尖度は3とする。

\begin{align} F(x) = \begin{cases} 0 & (x < -0.5) \\ x + 0.5 & (|x| \leq 0.5) \\ 1 & (x > 0.5) \end{cases} \end{align}

解答

歪度\(\frac{\mathbb{E}[(X-\mu)^3]}{\sigma^3}\)は、分布がどれだけ歪んでいるかを表す。

尖度\(\frac{\mathbb{E}[(X-\mu)^4]}{\sigma^4}\)は、正規分布と比べてどれだけとがっているかを表す(正規分布の尖度を0とするときは、さらに-3)。

まず、確率密度関数\(f(x)\)を求める。確率密度関数は、以下のように累積分布関数の微分によって求められる。

\begin{align} f(x) = F'(x) = \begin{cases} 0 & (x < -0.5) \\ 1 & (|x| \leq 0.5) \\ 0 & (x > 0.5) \end{cases} \end{align}

したがって、平均\(\mu\)は、

\begin{align} \mu &= \int_{- \infty}^{\infty} x f(x) \, dx \\ &= \int_{- 0.5}^{0.5} x \, dx \\ &= 0 \end{align}

となる。よって、\(\mathbb{E}[(X-\mu)^3]\)は

\begin{align} \mathbb{E}[(X-\mu)^3] = \mathbb{E}[X^3] = \int_{- \infty}^{\infty} x^3 f(x) \, dx = 0 \end{align}

となるので、歪度は0である。

同様に\(\mathbb{E}[(X-\mu)^4]\)を計算すると、\frac{1}{80}を得る。

次に、\(\mathbb{V}(X) = \mathbb{E}(X^2) - (\mathbb{E}(X))^2\)を用いて\(\sigma^2\)を求める。

\begin{align} \mathbb{V}(X) &= \mathbb{E}(X^2) - (\mathbb{E}(X))^2 \\ &= \int_{- \infty}^{\infty} x^2 f(x) \, dx - \mu^2 \\ &= \int_{- 0.5}^{0.5} x^2 \\ &= \frac{1}{12} \end{align}

したがって、尖度は以下の通りである。

\begin{align} \frac{\mathbb{E}[(X-\mu)^4]}{\sigma^4} = \frac{\frac{1}{80}}{(\frac{1}{12})^2} = \frac{9}{5} = 1.8 \end{align}

単純な確率の問題

参考にしたサイトは以下のとおり。

同じ誕生日の二人組がいる確率について _ 高校数学の美しい物語.html

問題

ある小学校の1年生 \( n \) 人(\( 1 < n < 365 \))は、生まれた年がうるう年でなく、双子やそれ以上の多胎児でないことがわかっている。このとき、以下の問いに答えよ。なお、特に断りのない限り、\( n \) 人は独立に等確率で誕生したものとする。

  1. \( n \) 人の中に、同じ日に誕生した人が存在する確率 \( p_1 \) を、\( n \) を用いた式であらわせ。
  2. この学年に転校生が1名やってきたとき、転校生と同じ誕生日の人が \( n \) 人の中にいる確率 \( p_2 \) を、\( n \) を用いた式であらわせ。

(1)の解答

まず、全員が異なる日に誕生する確率を求める。この確率は次のように計算される。

  • 1人目はどの日に生まれても良いため確率は \( 1 \) である。
  • 2人目が1人目と異なる日に生まれる確率は \( \frac{364}{365} \) である。
  • 3人目が1人目と2人目と異なる日に生まれる確率は \( \frac{363}{365} \) である。

これを \( n \) 人まで繰り返し、全員が異なる日に誕生する確率は以下のようになる。

\begin{align} p(\text{全員が異なる日に誕生}) = 1 \times \frac{364}{365} \times \frac{363}{365} \times \cdots \times \frac{365 - n + 1}{365} \end{align}

したがって、少なくとも1組が同じ日に誕生する確率 \( p_1 \) は次のように表せる。

\begin{align} p_1 = 1 - \prod_{k=1}^{n-1} \frac{365-k}{365} \end{align}

(2)の解答

転校生がやってきたときに、既存の \( n \) 人の中に転校生と同じ誕生日の人が存在する確率は、次のように計算される。

  • 転校生が \( n \) 人のうち誰とも誕生日が同じでない確率は \( \left(\frac{364}{365}\right)^n \) である。

したがって、少なくとも1人が転校生と同じ誕生日である確率 \( p_2 \) は次のように表される。

\begin{align} p_2 = 1 - \left(\frac{364}{365}\right)^n \end{align}